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入居中

丁寧にラフを仕立てる

仕立て前

作業場として長年使用されていたこの物件は、油が至る所に飛び散っている状態でした。
単に原状回復しただけでは、お金をかけても数多ある1Fの物件として競争力を失うことは目に見えていました。オーナーもどうしたら喜んで人に使ってもらえる空間に出来るのか、頭を悩ませていました。

仕立てイメージ

この物件の最大の特徴(チャームポイント)である「天井高」に目をつけ、それを最大限活かすことを考えました。
イメージは、NYのSOHOやブルックリンの倉庫街を住居にコンバージョンして住まいとした様な、クリエイターの住まいです。
コストが限られていたために、仕上げまで綺麗に完璧に、とすることは出来ないと思っていましたので、むしろそれを全面的に押し出して、素材感のある・ラフな仕上げをベースとしました。
コンセプトは、「丁寧にラフを仕立てる」というものです。
予算の都合上、全てを入居者と話し合って決定していくプロセスは難しいと思っていたために、予め絵を描きました。
こんな感じがとても似合う部屋ですが、ここから先はあなたの世界観を交えて一緒に仕立てましょう。
そう呼びかけたところ、約1週間でアーティスト(絵描き)の方が手を上げてくれました。
しかもなんと、静岡県からの応募でした。

仕立て後

壁は一部既存のブロックに塗装、一部は絵描きの入居者の為に、大きなキャンバスとしております。キャンバスとして絵を描いた場合、退去時は入居者自身で塗装をしてもらう事を前提としております。(但し、その絵があまりにも素晴らしく、住宅の一部として飾るに相応しい出来栄えの場合は、継承していく可能性も含んでいます)

床はラーチ合板という通常は仕上げに使わない材料の状態で、仕上げとしています。 これは繰り返しになりますが入居者が絵描きの為に、絵の具が飛び散った場合でも、その上からフローリングを貼って仕上げることで、将来的に原状回復を必要としない状態にすることと、同時にこの物件の特徴でもある「丁寧にラフを仕立てる」というコンセプトに沿っていくためです。

物件概要

用途
住居
所在地
神奈川県川崎市高津区久本
最寄り駅
東急田園都市線「溝の口」駅
面積
40.29m2
物件名
アビタシオン根岸
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